ビットコインの参入企業

ビットコインの主要テクノロジーとして注目を集める、「ブロックチェーン技術」。
この技術を巡って、大手・中小企業が、様々な形で参入の動きを見せています。
ブロックチェーン技術については、「ビットコイン、ブロックチェーン」の記事をご参照ください。

ことに、金融業界における、仮想通貨事業への投資競争は、昨年から活発になっています。
2016年3月、SBIホールディングスとSBIインベストメントは、アメリカの仮想通貨取引所の一つであるリップル社へ出資し、「SBI Ripple Asia」を設立。
また同年4月には、同じくアメリカの仮想通貨取引所であるbit Flyerは、SBIインベストメント他から第三者割当増資で約30億円を調達。同4月、独自のブロックチェーン技術を開発したテックビューロも、日本テクノロジーベンチャーパートナーズ他から、約6.7億円の資金調達を果たしました。
三菱東京UFJ銀行は同年7月、三菱UFJキャピタル他と共に、仮想通貨取引所の大手であるコインベース社に、約10.5億円の出資を行いました。

今年に入ってもその勢いは、加速しているようです。
2017年5月2日付の日本経済新聞電子版によると、ビットコインを始めとする仮想通貨取引事業に、SBIホールディングスなど10社超が参入する、とあります。「ビットコインなどの仮想通貨は、価格変動が激しく、大きなリスクはあるものの、投資対象として一定の需要があると判断した」との事。
転機となったのは、2016年5月25日、参議院本会議において成立した、「改正資金決済法」です。今年4月1日付で既に施行されていますが、ビットコインを含む仮想通貨が初めて法的に位置づけられたことを意味し、仮想通貨業界を一層、活気付けたことは間違いのないところでしょう。これでユーザーが安心して仮想通貨を利用出来る素地が固まり、金融業界にも、ビットコインやオルトコインの利用者の裾野が広がりを見せるとの憶測を呼んだものと思われます。

仮想通貨事業への、異業種参入が加速しても、ビットコインを始めとする仮想通貨を利用する機会が増えなければ、仮想通貨の普及はおぼつきません。
消費者に対し、仮想通貨を入手し、保有しようという意識を高め、なおつか、利用出来る場を提供しなければなりません。
ここに、ある企業の取り組みをご紹介します。
ビットコイン決済サービスを展開するコインチェック(旧レジュプレス)は、2016年11月から、LPガス事業者の三ツ和産業と共同で、電気料金やガス料金などの公共料金をビットコインで支払う事が出来る「coincheckでんき」を始めました。このサービスには2つのプランがあり、1つは既にビットコインを保有している層を対象に、電気料金をビットコインで支払える、ヘビーユーザー向けプラン。そしてもう1つが、ライトユーザー向けプランです。これは、ビットコインを所有していない消費者向けのプランで、電気料金や支払い方法は今までの電力会社と同じですが、削減電気代をビットコインで還元する、というもの。電気代の4~6%のビットコインが還元分として、coincheck ウォレットに貯まる仕組みになっています。このプランの出色な点が、「生活するだけでビットコインが貯まる」というところです。
これまで、ビットコインを入手し、保有するには、仮想通貨取引所へ口座を開き、日本円などの法定通貨をビットコインに換金し、さらに自前で、ビットコインを保管するウォレット(財布)を持たなければなりませんでした。ビットコインに興味は抱きつつ、自ら進んでビットコインを購入するまででもない、どちらかというと消極的なユーザーの背中を押す意味合いがあるようです。

仮想通貨を利用する場の拡大という側面でも、新たな動きが出始めています。
2016年10月、日本瓦斯は業界で初めて、ガス料金等の支払いをビットコインで行えるようにしました。先に触れた「coincheckでんき」と併せると、電気・ガスといった公共料金決済に、仮想通貨が利用出来る端緒を開くこととなりました。
ビットコインを利用して、カード加盟店で使えるプリペイドカードの購入・チャージを実現した企業も現れています。ビットコインウォレット「WALET」を運営するウォレットは、2016年8月にライフカードと提携し、ビットコインをオンライン決済専用プリペイドカード「Vプリカ」に交換出来るサービスを展開しました。
2017年7月11日付の日経の記事によると、大手家電量販店のビックカメラは、7月中にも、ビットコインによる支払いを全店舗で対応する、と発表しました。
同社は今年4月、過疎通貨取引所のビットフライヤーと提携し、有楽町店など都内の一部の店舗で、ビットコインによる決済に対応してきました。当初、拡大傾向にあるインバウンドへの対応が目的でしたが、予想外にも国内の消費者の利用も多かったため、急きょ、全国拡大へと舵をきったものです。

ブロックチェーン技術をビジネスに活用しようとする企業の、新市場への参入は相次いでおり、既に150社以上が参入を果たしています。
内訳としては、銀行系を筆頭に、証券・FX・保険・クレジット系の金融業、SBIホールディングスをはじめとする金融情報サービス業、JTBといった旅行業などの「ユーザー企業」。技術的側面からユーザーを支援する「IT企業」。法務や税務、特許など、ユーザー企業の投資の側面を支援する「経営支援企業」などに大別されます。そのうち、最も数が多いのがIT企業で、全体の3分の2を占めています。ユーザー企業は、現状では金融関連が主流で、他の業種・業態としては、JTBや日本瓦斯のみですが、それ以外の方面への拡大は、今後に期待されるところです。

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